仙北街道は、仙台藩と秋田藩を結ぶ最短ルートとして奥羽の歴史に登場したのが宝亀7年(776)。何と1200年余りの歴史を持つ。岩手県側では「仙北街道」、秋田県側では「仙北道」あるいは「手倉越」と呼んだ。この古道の魅力は、ただ歴史が長いというだけではない。一帯は、1990年3月、白神山地や八幡平玉川源流部とともに、栗駒山・栃ケ森山周辺森林生態系保護地域に指定されている。そのど真ん中を横断し、現在もなお開発から逃れて、ほぼ昔のまま現存している。つまり現代に残された「奥の細道」あるいは「奇跡の古道」とも言えるだろう。